2006年ドイツ大会のJFAテクニカルレポート を読み返していたら、オシムさんと布さんの対談に改めて目を奪われた。

「勝つことと育てることとの矛盾の間にサッカーコーチは生活しているのです」


以下「Technical News vol.15」より一部抜粋


布:日本ではどうしてもある現象として、目先の勝負に勝ちたいと、コーチが考えてしまうことがあります。

オシム:
世界中に共通する問題で、負けてもいいから選手を育てればいいということを口では言いますが、負けてばかりいるチームでは選手は育ちません。
つまり勝つことで自信をつけるわけです。大事なことは、誰のためのサッカーなのか、誰のためのチームなのかということです。
例えばU-15の全国大会で優勝したとします。それでコーチが自分のタイトルを取ったということで喜ぶだろうけども、もっと大事なのはその年代を卒業したあと、選手がどうなるかということをコーチがどれだけ考えているかということです。
勝つことと育てることは矛盾すると同時に矛盾しない、両方が言えますが、問題なのはコーチが大事なのか、選手が大事なのかということをコーチがどう考えるかということです。勝つことと育てることとの矛盾の間にサッカーコーチは生活しているのです。



「当たり前」に起こる矛盾に真っ向からぶつかり、矛盾を感じることを「当たり前」に感じていくことが凄く難しい・・・